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学校給食について考える [旅の小ネタ]

最近、テレビでWFPのCMを見かける。

WFPとは、World Food Program 世界食糧計画。

シエラレオネでお仕事をしていたとき、彼らの活動のすごさを目の当たりにしました。

生徒数、施設の衛生状況など、条件を満たした学校に給食のための食材を提供するのですが、WFPの支援を受ける学校は、通学する生徒数がググッと増え、出席率もぐぐっと上がり、授業が終わった後に出る給食のために、きちんと最後まで授業を受けるようになったのです。
(そうじゃないと、お腹がすいて集中できなかったり、家に帰っちゃったりして、抜け出しちゃう子どもが多いんです。)

逆に、その周辺で給食がない学校からは、生徒がどど~んと流出してしまったのです。

親は、給食のある学校が多少遠くて、子どものあしで2時間くらいかかるとしても、給食がある学校に通わせます。
家で食べさせる分だけでは、栄養が充分ではないから、学校給食でその分の栄養を取って欲しい、という親心なのでしょう。

私達のプロジェクトでも、WFPの承認を得るためにトイレやキッチンを設置したり、教室を整備したりする活動をする学校がたくさんありました。
承認が得られると、先生も親も生徒も大喜び!!

そこで、私達は、WFPの事務所に「もっとこのプログラムを広げて欲しい」と話し合いに行ったことがあります。
ところが、オフィサーの方は悲しげに言いました。

「支援を続けるための資金が減っている。この国でのプログラムも縮小しなければならない。日本政府は、出してくれないのか?」

あれから、穀物価格や原油価格(支援物資の輸送に大打撃を食らわすんです)の高騰があり、資金の提供も減ったと聞きます。

どうなったのかなあ?

と思っていたら、あのCM。

承認のためやモニタリングのための学校訪問や食材配達など、地味に続けなければならない活動ばかりだけれど、子供達が栄養を取れるようになるのみならず、学校できちんと授業を受けるようになったら、その先に様々な効果が期待できます。就学率とその子供達が将来産む子どもの死亡率との間には関連性があるといわれているし、教育を受ければそれだけ職業の選択肢が広がるし…

実際、私達のプロジェクトも、せっかく勝ち得た平和が安定して続くために、子供達により良い教育の機会を提供できる社会を作りましょう、ということで行われたのですから。

続けて欲しいなあ、学校給食支援。

 


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コメント 6

ちびxちび

教育を受けられる「場所」があるだけではダメなんですね。
充分な栄養があってこそ、ですね。
日本では“いただきます”を言わせない親がいたり
残飯が多かったり、、、
うまいことバランスって取れたらいいのになぁ~。
by ちびxちび (2009-08-14 09:01) 

blaksumur

ちびxちびさま、ほんと、余ってしまうところと足りないところ、うまくバランス取れればいいんですけどね…

by blaksumur (2009-08-14 13:13) 

にしよし

学校教育がこんなに地方の隅々まで行き届いている国って、世界的にも非常にまれだと思うのです。日本ってすごいなーと思います。
はやく自立できるよう自国政治家の皆さんにも頑張ってもらいたいものです。
by にしよし (2009-08-17 21:08) 

blaksumur

にしよしさま、こんにちは。
そうですね。学校給食にしたって、これだけ普通に出るって、実はすごいことなんだなあ、と思います。
教育って、効果が出るのが20年とか30年とか先だから、任期の短い政治家さんにはあまり振り向いてもらえないんですよね…
by blaksumur (2009-08-18 16:57) 

かおり

日本も最初は戦後のアメリカの支援で給食が始まったのではなかったでしょうか?
支援する人々と、そこから自立する力が伴って初めて本当の普及があるのでしょうねー

by かおり (2009-08-23 15:09) 

blaksumur

かおりさま、そういえば、日本の学校給食も援助で始まったんでしたね。
でも、今ではすっかり「自分のもの」としてやってますよね。
今の援助は、自立する力をあまり重視してないんじゃないかなあ、と思うことがあるんですよね… 日本は、それでもがんばっていると思いますが、負けちゃうんですよね、大勢に。そして英語力で…
by blaksumur (2009-08-25 10:16) 

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