白タクの思い出 [旅の小ネタ]
成田空港は、鉄道もバスも充実しているので、タクシーはほとんど使いませんが、私がお仕事で行くような国では、空港から市内まではタクシーが一般的。
そして、白タクも一般的(>_<)
その昔、疲れすぎてうっかり、ジャカルタの空港から白タクに乗っちゃったことがありました。
親切に声を掛けてくれたおじさんについていくと、白いバンと女性の運転手さんが待っていました。
助手席に乗り込んで、あいさつをすると、無愛想に返事をした彼女。
当時は高速道路がなかったので、田舎道をとことこドライブするうちに、彼女の身の上話を聞くことに…
なぜか、彼女の顔の印象をはっきりと覚えています。
彫りが深く、奥まったちょっと黒目がちの眼の下には、クマが…
全体的に、悲しそうな顔でした。
都会に出てきて結婚して子供をもうけたものの、夫が突然いなくなり、頼った人に騙されてお金を取られ、実家は貧しいから帰るわけにもいかず、子供の養育のためにこんな仕事をしているのよ。今まで生きてきて、いいことなんか何にもなかったわ… と。
「そうなんですか~。」としか相槌の打ちようがない私。
街中に入ろうとした頃、彼女が意を決したように言いました。
「実は、ボスからは、適当に金を巻き上げてどっかその辺で降ろしておけ、って言われているんだけど、あなたにはそんなことできないわ。目的地まで送る。代金は、他のタクシーと同じでいい。ごめんなさいね。」
そこで改めて、「白タクだったんだっけ、これは」と思いだした間抜けな私。
「私も学生なのでお金がないから、それはとてもありがたいけれど、あなたがボスに叱られるんじゃ…?」
ぼったくられそうになった客のセリフとは思えませんが^^;
「いいの、こんなに誰かに話聞いてもらったの、本当に久しぶりだし。どうってことないわ。」
そう言って、はじめて彼女はうっすらと微笑みました。
もう、20年くらい前の話ですが、なぜか鮮明にその時のこと、車から降りた時の景色を覚えています。
彼女はあのあと、どうしたんだろう? 幸せになったかなあ?
今は、ジャカルタの空港からの白タクは、もっと危ないですからね。
日本人でも、数人に取り囲まれて脅され、金目のものを奪われ、街中に放り出された被害者、結構いるようです。
犯行後、犯人が、「本物の」タクシーを拾ってくれることもあるようですが^^;
ご参考までに、アジアの空港でありがちな手口は、あなたのスーツケースについているタグの名前をその場で書き取って、いかにも
「出迎えに来ました」
みたいな感じで、あなたの名前が書かれた紙を高く掲げて近寄ってくる、っていうやつ。
ビジネスマンは、たいてい会社からお迎えの車が来るので、騙されちゃうことがあるんです。
なので、出発前には運転手の名前と携帯電話の番号を必ず教えてもらいます。
そして、「お名前は?」と、必ず確認します。
あとは、アジア方面の時は、タグは小さくして、人になるべく見られないようにしたり、タグを外したりしていました。
でも、これをアフリカ方面に行くときにやっちゃうと、荷物が途中でなくなった時にとても困る…
そして、乗り換えが多いアフリカ方面は、よく荷物が途中でさすらいの旅に出る…
ともあれ、タクシーはちゃんと、カウンターでチケットを買って乗るのが安心です。
ホテルのランドリー事情 [旅の小ネタ]
ご無沙汰です。
生きてますよ
親方が帰国して、なんとなくせわしないです。
なんででしょうねえ~?
都会でのお仕事が多い親方は、帰国前にほとんどの衣類をホテルのランドリーで洗ってもらってくるので、いつもは洗濯ものが少ないのですが、今回は全部もう一度家で洗いたかったらしく(確かに、柔軟仕上げ剤の匂いがちょっと気になった)、大量の洗濯ものが…
そして、衣類にはこんなものが…
部屋番号を書いた紙が、ワイシャツにもパンツにもハンカチにも安全ピンでしっかりと止められています。
この紙は、どうやら水に強い材質のようで、簡単にはちぎれない。
気づかずに洗ってしまい、アイロンをかける時に発見しましたから…
安全ピンも、けっこう丈夫なタイプ。
ゆえに、衣類に穴が^^;
ベトナム人は、手間暇惜しまず、一つずつこうやって部屋番号を書いてはちくちくと安全ピンでとめてくれるのね。
インドネシアでは、襟首のところにボールペンで部屋番号書かれちゃいましたから。
ああ、この差が今、国力の差となっているような気が…
私たちが行くような国では、ホテルのランドリーはまあまあお安いし、長期滞在だと1日1セット無料などのサービスもつけてくれたりするので、結構ホテルのランドリーを利用することは多いです。
男性はよく、Tシャツやパンツ、靴下の行方不明事件や取り違え事件に巻き込まれます。
似てるものね…
ちなみに、女性でも下着をランドリーに出す人は、激しい型崩れ被害にあうことがあるようです。
私は、下着は絶対出しませんけどね。
だって、ランドリー係って結構男性が多いんですもの…
部屋番号ばれてるし、なんか、嫌…
自分で洗って、バスタオルにくるくるっと巻いて、床にパーン、パーン、と叩きつけてから干すと、意外と早く乾きます。
そういえば、アフリカのホテルのフロントで、ぼろ布になったレースのキャミソール片手に猛抗議しているヨーロッパ系の女性を見たことがありました。
ホテルのランドリーで洗って、どうしてああなるのか、私も知りたかった…
ともあれ、デリケートな衣類は出さないのが一番なようです。